京都は、犬と歩くには賑やかすぎる。そう思っていた。 でも朝の嵐山は違う。人波が来る前の渡月橋、水の音だけの哲学の道、リードのまま歩ける禅寺。古都には、犬と分け合える静けさが、ちゃんと残っている。 観光の京都ではなく、散歩の京都へ。うちの子の足音が、石畳によく似合う。 --- 朝いちばんの、渡月橋 桂川にかかる嵐山の象徴も、朝七時なら別の顔をしている。山霧のなかに橋の欄干が浮かび、川音だけが響く。 橋のたもとを、うちの子とゆっくり歩く。人力車が並びはじめる前の、一時間だけの贅沢だ。 --- 水の音と、哲学と 琵琶湖疏水に沿って続く哲学の道は、犬との散歩のためにあるような道だ。春は桜、秋は紅葉、それ以外の季節は、静けさが主役になる。 考えごとをするでもなく、しないでもなく。せせらぎとリードの揺れる音だけで、二キロはあっという間に終わる。 --- リードのまま、禅寺へ 南禅寺は、リードをつけたまま境内を歩ける貴重な古刹だ。三門の大きさに息をのみ、レンガ造りの水路閣をくぐる。 明治の遺構と禅の静けさが同居する境内で、うちの子はただ、いつも通りに歩いている。それがなんだか、いちばん正しい参拝に思える。 --- 楓の窓辺で、抹茶を 嵐山に戻って、楓に囲まれたカフェでひと休み。テラスの向こうは、絵はがきのような日本の景色。 濃い抹茶のパウンドケーキと、足元で伸びるうちの子。歩いた分だけ、甘いものがおいしい。 --- 嵯峨野の小さな宿で 泊まるなら、嵯峨野のペンションへ。全5室に独立した玄関とドッグランがついた、犬連れのための小さな宿だ。 嵐山の喧騒から歩いて離れただけの場所に、こんなに静かな夜がある。明日は朝の竹林から始めよう。 --- 朝の嵐山を、ひとまわり 7:00 ─ 渡月橋へ。人の来ない朝の橋を、ゆっくり渡る。 9:00 ─ 車か電車で東山へ。哲学の道を南へ二キロ。 11:00 ─ 南禅寺。リードのまま境内と水路閣を歩く。 14:00 ─ 嵐山へ戻り、楓のカフェでおそい昼とお茶。 16:00 ─ 嵯峨野の宿へ。ドッグランで今日の総仕上げ。 ペット可の条件は変わることがあります。おでかけ前に、各施設の最新情報をご確認ください。